2012年と翌年の3月に、東日本大震災の被災地を巡りました。
北は岩手県の釡石や陸前高田、南は宮城県気仙沼までを一週間かけて歩き、震災から一年たってもなお残る大きな傷跡から、自然の凄まじい破壊的な側面を直視し、大きなショックを受けました。
学生時代に山岳部に所属していた私は、幾度となく激しく変わる自然の怖さ、脅威を肌身で感じた出来事に遭遇した経験があります。
うねる風や湧き起こる雲、叩きつける雨や轟く雷光。とめどなく変化し移りゆく空や大気をモチーフとして、自然の圧倒的なエネルギーや神秘、そして宇宙に繋がる壮大なスケールの表現にチャレンジした作品です。